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写真集風景の現在

はじめに

私は旅が大好きで暇を見てはあちこちに出かけていました。旅先では観光名所はもちろん、道、田園風景、朝日、夕陽、桜、紅葉、花、昆虫、町並みといった被写体を情感豊かに美しく写すという事に専念していましたが、腕の未熟さも感じていつしかそういう写真を撮りつづけることが困難に思うようになりました。
風景写真といえば、前田真三に代表されるような「花鳥風月」の風景画をイメージします。
まだまだ日本の自然美は多彩で奥深いと多くのカメラマンは言いますが、デジタル時代を迎えてアマチュアでも難しい写真が撮れるようになった今、問われるのはその作品に作家性があるかないかです。「自分の風景写真は何なのか」という自分なりの思想を作品に反映する事が大切になってきたと思うのです。
風景写真を撮り始めて、自然の状態がひどいことになっていることを敏感に感じ、惜しんでいるネイチャーカメラマンは多いと思います。旅先でよくみるゴミの不法投棄やらくがき等、日本人のモラルのなさには驚きますが、もっと驚くとこは、都市・田園・自然までを含んだ「風景」の急速な変化です。日本改造計画の旗のもと、昭和40年代頃から日本中で原生林の大規模な伐採が始まり、道や住宅や杉林に変わりました。又、かつて農家がその存在をかけて必死の思いで開墾してきた棚田さえも、減反政策や植林地化によって不毛の風景に変わりつつあります。今日「風景」は社会や政治によって維持、管理されていると言えるのです。 
ロマンティックで「花鳥風月」芸術の一分野だった風景写真が、環境問題が大きな社会的な課題となり始めた現代では少しずつですが、新しい意義を持つようになりました。
このような現代社会と環境との関係を視覚化し今の国土をありのままに記録・伝達する事ができないだろうか。こうした試みとして、今回約10年前から撮り集めたストックの中からテーマに沿った写真を選出。あえて色修正もほとんど加えない写真と偏見に満ちた文章で綴った本を出すことにしました。
もしかしたら、この本の中のたった一枚の写真が旅心をかき立て、自然や環境へ関心を持ってくれる人が一人でも現われたらうれしいです。
                                                 福重 勝己

●写真集の一部を紹介します。

それぞれの道

それぞれの道・遠野帯広
廃墟の風景
廃墟の風景・吉利小学校旧校舎普賢岳噴火
原生林と人工林
原生林と人工林2
橋の魅力
橋の魅力2
沖縄2008
沖縄2008の2
沖縄2008の3
北の大地へ2009
北の大地へ・野生の動物
   

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